天皇杯準決勝、川崎フロンターレ対大分トリニータの試合がありました。
川崎が攻め続け大分が守るという試合展開で、シュート数も大きく差が開いた試合でしたが、
大分のGK高木駿選手の再三のビックセーブに阻まれて、90分では決着がつかず延長戦に。
延長後半、小林悠選手のゴールで先制しましたが、その後エンリケトレヴィザン選手のゴールで追いつかれ、PK戦の末大分が決勝進出を果たしました。
川崎は敗れてはしまったものの、ボール支配率65%、シュート28本(枠内19本)と数字にも表れるように、リーグ王者としてふさわしい戦いぶりを見せてくれました。
その攻撃を大きく引っ張る家長昭博選手は、相変わらずのプレーぶりを発揮していました。
今季のリーグベストイレブンにも選ばれた家長昭博選手、抜群のキープ力や技術力、攻撃センスを兼ね備えながら、
試合の状況によって自由にポジションを変えながら攻撃に関わるという特徴があります。
基本は右ウイングを主戦場としていますが(たまにインサイドハーフやトップ下)、
そのポジションに縛られることなく、逆サイドや中央や後ろなど、色んな所に顔を出しに行きます。
でももちろんただ自分勝手にウロウロしているのではなく、
「ビルドアップが上手くいっていない時」や、
「相手の弱い部分や局面を上手く崩して突破したい時」や、
「リズムに変化を加えたい時」や
「自分たちの流れに引き寄せたい時」など、
おそらく他にもピッチ内でしかわからないことが色々あると思いますが、
試合の状況を察知して、柔軟にチームを助ける動きをしています。
家長昭博選手が自由なポジションを取ることによって、
その場に数的優位な状況を作り、その局面を自分たちが有利な状況に持っていくことが出来ます。
そして家長昭博選手の安定したプレーでタメを作ったり、リズムを変えたり、流れを変えたりして、チャンスを作り出すことが出来るようになります。
「自分たちのバランスを崩して相手のバランスを崩す」というかたちですね。
相手からしたら、こういうプレーをされると、
せっかく組織的なディフェンスではめにいっててもはがされてしまうし、
マークが捕まえづらくなったり、自分たちの守備プランが崩れたりもするので、
非常に厄介なプレーだなと思います。
でもこうやって、その場の状況によって柔軟な動きをすることは誰でも出来るわけではありません。
高い技術レベルや安定性、ボールキープ力などの「目に見える力」はもちろん、
高度な戦術眼や、長年の経験、流れを読む力、攻撃センスなどの「目に見えない力」が備わっていないと出来ることではないと思います。
それらを持ち合わせて実際結果にも表すので、家長昭博選手は周りからも信頼されて、こういったプレーも認められているのだと思います。
自由にプレーしてチームの足を引っ張っていたら誰も認めてくれませんもんね。
35歳のベテランで、常に安定した高いレベルのパフォーマンスを見せていて、チームにいると本当に頼りになる存在だと思います。
見ているこっち側からしても、いるだけでなんか安心感が生まれますね!
まだまだこれからもたくさんのプレーを見せてほしいと思います!
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