キリンカップ、日本代表対ガーナ代表の試合がありました。
コンパクトな陣形で守備ブロックを敷いてくるガーナ代表に対して、
サイドの空いたスペースの攻略や、狭くても質の高さで中央を崩したりと、
スピード感のある攻撃を繰り広げ、
山根視来選手、三笘薫選手、久保建英選手、前田大然選手の得点で、
4対1と勝利を収めました。
どのゴールも、得点者だけではなくその前段階の他の選手のお膳立てがあってこそ生まれた素晴らしいゴールでしたね。
久保建英選手と前田大然選手のA代表初ゴールも生まれて、またさらに攻撃陣に勢いや競争も生まれて今後が楽しみです。
そんな中、
この試合1ゴール1アシストを決め、様々なプレーで観客を沸かせてワクワク感を生み出してくれる三笘薫選手は、素晴らしいプレーをたくさん見せてくれていました。
三笘薫選手と言えば、もう今や誰もが知る「圧巻のスピード&ドリブル」、「柔軟なボールタッチ」などに加え、
ベルギーのサンジロワーズに移籍してからより磨かれた「守備の部分」や、
「ポジショニングやプレーの判断の良さ」など、
様々なところでレベルアップを続けている、今大注目の選手の一人ですが、
その中でも、自分の武器を最大限に活かしたドリブルのやり方がとても素晴らしいなと思います。
数ある武器の中でも、他の選手にはなかなかない、
「抜群の速さを見せるスピードに乗った縦へのドリブル」は一番の武器だと思うのですが、
それを上手く活かすプレーのやり方がとても上手いです。
ドリブル(三笘薫選手)VS素走り(相手)でもスピードで振り切ってしまうような速さを持っていますが、
速いと必ず相手を振り切れるかというと、徒競走みたいによーいどんで勝負するわけではないサッカーでは、そうではありません。
スピードに圧倒的な差があったり、距離感などで有利な状況に立っているのであれば、余計な駆け引きはいらずに突破できると思うのですが、
能力でそこまで大きな差があることは少ないし、
相手も準備や予測などで防ぐ術はいろいろあるので、そう簡単に突破できるわけではないので、駆け引きや武器を活かす術というのがとても大事になってきます。
三笘薫選手はそのスピード&ドリブルをより活かすための方法として、
中にドリブルで入っていくような素振りを見せながら、
そっちに相手の警戒を向けさせたり、重心を移動させたりしておいて、一気に縦にいって突破したり、
中へのパスやカットインシュートなどのフェイントを入れて、
相手をそっちに動かしておいてから一気に縦に突破したりと、
ただ闇雲に縦に突破するだけではなく、違う方に相手を誘い込んだり警戒させておいたりして、より縦へのスピードに乗ったドリブルが活きるようにしています。
他にも、ゆっくりのプレースピードから一気にスピードを上げたりして、
遅いスピードに慣れさせて、その後に速いプレーをすることによって、
相手に速さを実際以上に感じさせるような緩急の使い方が上手かったり、
試合の始めの方は、中に行くドリブルやパスやクロスボールなどを多めに使っておいて、相手が縦への警戒を緩めたタイミングで縦に突破したりと、
前もって自分のプレーに伏線を張っておいたり、布石を打っておいたりして、
試合全体の中での駆け引きも見事です。
そして三笘薫選手の場合は、
中へのカットインドリブルやクロスボール、シュートなどの他のプレーも精度が高いので、
相手からしたら他も警戒しないといけないからより騙されやすくなったり、
止めるべき数が多くて守り切るのが難しくなりますね。
車を持っていても運転の仕方がわからなければ意味がないのと同じで、
どれだけ良い武器を持っていても、使い方を分かっていなければ意味がないので、
強い武器を持っていて、そしてその武器を最大限に活かす術が分かっていて、
なおかつそれを実際にやってのける凄さがあるからこその素晴らしいプレーの数々なんだと感じました。
これからも日本代表の攻撃を引っ張るとともに、
ワクワクするようなプレーをたくさん見せてほしいなと思います!
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