パリサンジェルマンのジャパンツアーで、川崎フロンターレ対パリサンジェルマンの試合がありました。
各国代表の主力クラスがたくさん揃っていて、スター軍団と呼ばれるにふさわしいメンバーが集まっているパリサンジェルマンとの一戦でしたが、
相手のクオリティの高さを見せつけられて1対2で負けはしたものの、
フロンターレの良さも充分見られて、とても面白い試合を見せてくれたと思います。
家長昭博選手があの相手でも全然通用するところが見れたし、
マルシーニョ選手のスピードやチャナティップ選手の細かいステップやタッチ、
車屋紳太郎選手やジェジエウ選手の守備対応などの個の部分も良かったし、
チーム全体としての、攻守でのアグレッシブさや切り替えの速さや球際のところ、
パス回しやチャンスメイクなど、フロンターレの良さを前面に出して戦えていたと思います。
中でも橘田健人選手は、アンカーとして難しくて大変な役割が多く課されていたと思いますが、
いつもの良さを出しながら、チームに大きく貢献してとても良いプレーを見せてくれていました。
相手がアンカーの脇のスペースや、中盤とディフェンスラインの間のスペースを多く狙ってきていたことや、
ポジション的にもメッシ選手、エムバペ選手、ネイマール選手などと対峙することも多かったですが、
得意の「出足の鋭さ」「球際の強さ」「アジリティの高さ」を活かして、相手の強力な攻撃陣と戦えていました。
まずその自分たちの嫌なところにボールを入れさせないように、相手の縦パスのコースを切るところにポジションを取っていて、
それが1つなら守るのは簡単でしたが2つ3つ作られていたので、後ろの状況を確認して立ち位置を何度も微調整しながら広い範囲をケアしていました。
そしてこの試合の橘田健人選手の守備対応で一番凄いなと思ったのは、相手との距離をしっかり詰めていたところです。
予測と反応の速さで、メッシ選手など相手がボールを持ってからではなく、
そこに向かってボールが動いている間にスタートを切っていて、少しでも相手に寄せて距離を詰めて、相手の自由を制限させるような守備対応を行っていました。
そして相手が受けてからも、ボールに足が届く距離くらいまで詰めて、奪いに行く守備で積極的に球際のチャレンジをしていて、
メッシ選手はレベルが違いすぎてそれでもかわされてしまうこともありましたが、
自由を制限して相手の選択肢を減らすことなど、とても良い対応が出来ていたんじゃないかなと思います。
相手との距離を詰めて奪いに行くのは、奪いに行ける可能性は上がる反面、抜かれてしまうリスクが高くなってしまうので、怖さは必ずあると思うし、
なおかつその相手が世界的ドリブラーだとより増すと思うのですが、
橘田健人選手の積極的な守備対応はそういう面から見てもとても凄いなと感じました。
逆に行かないことで相手にプレッシャーを与えれずに、自由にプレーされてしまう怖さもあって、
ここをもう少し寄せるか寄せないかと、おそらく10cm単位の微妙な駆け引きを探り合って戦っていたんじゃないかと思うのですが、
その少しの違いで、相手に与えるプレッシャーや、相手のプレーを制限できるかも変わってくるので、頭も体もとても疲れるプレーの数々だったんじゃないかと思います。
こういう凄い選手たちと戦う時ほど、外から見ているだけじゃ絶対にわからないものがたくさんあると思うので、
それを体験したフロンターレの選手たちがこれからどんなプレーや成長を見せてくれるのかとても楽しみですね。
世界トップレベルの選手たちが日本に来てプレーを見せてくれたことに感謝しつつ、
これからリーグ戦3連覇に向けてのフロンターレの素晴らしい試合を期待したいと思います!
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