J1リーグ第23節、川崎フロンターレ対浦和レッズの試合がありました。
フロンターレは、コロナの影響でメンバーが揃わなかったり準備に支障をきたしたり、怪我や代表での疲労など、ベストなチーム状態とはほど遠い過酷な状況での試合でした。
それらも影響して、前半に2失点してしまい、後半に家長昭博選手のPKで1点返すもまた突き放されて、結果1対3で負けてしまいました。
難しい状況で、フラストレーションも溜まる試合だったんじゃないかなと思いますが、
どんな状況でも、自分たちに出来ることを一生懸命やるという姿勢がとても凄いなと思うし、
最後まで勝利を目指した素晴らしい試合を見せてくれたと思います。
勝っていてもおかしくないほど、色んな形の攻撃から数多くチャンスも作れていましたが、
その中の一つとして、
右サイドバックでフル出場した瀬古樹選手から、何度も効果的なチャンスが生まれていました。
瀬古樹選手は、横浜FCより今シーズンから加入し、本職は中盤の選手ですが、サイドバックもこなすことができ、
アグレッシブな攻守でのプレーやハードワークな運動量で、攻守でチームを支える選手ですが、
この試合でも何度も見せた、相手の嫌なところを突く鋭いパスはとても素晴らしいなと思います。
前線の選手への縦パスや斜め前のパスで、攻撃の起点となるようなパスも素晴らしいですが、
1本のパスで一気にチャンスを作り出すプレーも凄くて、
例えば、この試合であったプレーで、
ハーフウェラインくらいの位置で右サイドでボールを受けて、
ボールを止めるまでに周りの状況を確認しつつ、
チャンスの瞬間を逃さないように止めてから蹴るまでの流れも速くスムーズに行い、
ディフェンスラインの間のハーフスペースに走り込んだ脇坂泰斗選手の抜け出しに合わせて、絶妙な斜め前の鋭いパスを送りました。
その後もう少しでゴールという形まで1本のパスで一気に持っていけたし、
その他にも、
相手陣内に少し入ったくらいの位置の右サイドでボールを受けて、
落ち着いて中の状態を見て味方の動きを見つつ、
マルシーニョ選手が中央のディフェンスラインの裏を上手く抜けていったところに、
上手くタイミングを合わせて鋭い斜め前のパスを送りました。
オフサイドもなくもう少しでゴールというシーンを1本のパスで作れて、
これもゴールになっていてもおかしくないシーンでした。
速いパススピードからの鋭いパスの質の高さも素晴らしかったし、
なにより相手の嫌なところを的確に突いていたプレーの選択が素晴らしかったと思います。
相手ディフェンスラインが横に間延びしたときの間のスペースだったり、
相手のディフェンスラインの間を通しての裏へのパスだったりと、
相手が突かれて嫌な弱点となるところにしっかりパスを送っていて、
もちろんもらう側の動き出しの良さもありますが、
それを見逃さず狙っていて、しっかり質の高いパスを出せるのはとても凄いなと思います。
パスの距離が長くなると、パスカットされる可能性も上がるので、しっかり届けるためにはその分速いパスを送らないといけなくて、
でもインサイドキックで正確で速いパスを蹴るのは簡単ではないし、強く蹴ろうとすれば精度も下がりがちになります。
ですが瀬古樹選手は、インサイドキックで強く速く正確にパスを送れていて、
「足の振りの速さ」や「太ももの内側の筋肉の内転筋の強さ」や「足首の強さ」などが凄いんだなと感じました。
フロンターレは、ショートパスで崩すスタイルを得意としていますが、
その中でこういった長めの1本のパスで崩せる選手がいると、攻撃の幅も広がるし、リズムも変わるので、相手としては読みづらいし効果的なプレーだし、
これからもっとチームにフィットしてきて、どんなプレーを見せてくれるのか楽しみですね。
次のリーグ戦は首位の横浜Fマリノスとの試合が控えていて、大変な状況だと思いますが、優勝のためにも前半戦のアウェイでの借りを返すためにも、勝ち点3を取ってくれることを期待したいと思います!
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